リールのボールベアリングのメンテナンス

ツール・メンテナンス

こんにちは!ブログ管理者のひろよんです!今回はボールベアリングのメンテナンスについて書いていこうと思います。

発端は、、、、先日、アジングに行ったのですが、なんだかリールからシャリリリリリって僅かなノイズ感、、、アジングのように、繊細なコッやモゾっとしたアタリを拾っていく釣りではこういったノイズはストレスMAXになります。
発生場所は比較的簡単に特定できて今回はハンドルノブがノイズの出どころのようです。

直径が1㎝にもならない小さな部品がリールの使い心地に大きな影響を与えます。

あー、このリールは昨年のシーズン前にボールベアリングをメンテナンスしてからしてなかった、、、幸い、予備リールを持っていたので、そちらを使いました。
今回は私が普段してているボールベアリングのメンテナンスについ書いていこうと思います。

ボールベアリングとは

釣りに使う殆どのリールには回転の滑らかさをより高めるためシャフトやギアの軸受けにボールベアリングという部品が使われています。ステンレス等のハウジングに、小さな金属球が入って回転を滑らかに維持します。もちろんベアリングにも精度や規格があり適材・適所のベアリングを使うことでリールの回転性能と耐久性能を向上させています。

ベアリングの個数は3~10個程度と、ほぼリールの価格帯に比例して個数が増えていきます。
そして、これらのベアリングはメンテナンスフリーで使い続けることはできないためメンテナンス状態でリールの滑らかさが全く変わってきます。

ボールベアリングメンテナンスのタイミング

全てのボールベアリングのメンテナンスはリールをある程度分解できるスキルがないと難しいのですが、ハンドルノブとラインローラーのベアリングは簡単に取り出せるので、そこまで敷居は高くありません。
ただし、ハンドルノブとラインローラーは10,000円前後のエントリークラスのリールでは通常ではボールベアリングが入っていなくて、プラスチックカラーが軸受けになっていることが多いですが、これらのプラスチックカラーもメンテナンスフリーではないので、ボールベアリングと同じようにメンテナンスすればいいと思います。

さて、肝心のボールベアリングのメンテナンスのタイミングですが
1.シーズン終わり
2.リールがシャリシャリしたり、異音がする場合
3.雨の釣行をした後
4.海水を被るような使い方をしたとき

基本はベアリングは消耗品なのでどうしてもスムーズに回らない場合は交換すればよいのですが、シーズンオフにオイル切れの状態で放置するとシーズン前にはしっかり錆びついていることもありますので、長期保管の前にはメンテナンスして保管することをお勧めします。

ボールベアリングメンテナンスの注意

ボールベアリングのメンテナンスをする場合、ベアリングシムという薄い金属のドーナツ板でベアリングが挟まれていることが在ります。
このシムは工業製品であるベアリングとハウジングとのクリアランスの個体差を調整するために入っていますので、順番が変わったり、入れる場所を間違えると正常にベアリングが回らなくなってしまします。

また、調整部品として入っているシムに関しては、メーカーの部品表にも記載されていません。
分解時は、必ず入っていた通りに部品をならべ、特にシムのような部品は、他の部品にオイルで張り付いていることもあるので、しっかり確認しながら、慎重に分解します。

ドラグメンテナンスに必要な道具

道具

道具:ドライバー、ピンセット、プラスチックか金属のカップ
専用道具:ABC HOBBY ベアリングリフレッシュセット
消耗品:パーツクリーナー(逆さ噴射できるもの)、キッチンペーパー、油脂類

ベアリングリフレッシュセットを使うときはパーツクリーナーの逆さ噴射可能を確認

ABC HOBBY ベアリングリフレッシュセット

ABC HOBBY ベアリングリフレッシュセット は本来はミニ四駆やラジコン用のベアリングのメンテナンス道具ですが、リールで使われているほとんどのボールベアリングで利用できるので持っていても損はないと思います。ABCホビーさんの公式ページへ

アルミの削り出しがかっこいいだけじゃなくベアリングメンテナンスの秘密兵器です。

ABC HOBBY ベアリングリフレッシュセット を使うとシールドベアリングの古いグリスの洗浄と、グリスの充填が簡単にできます。(部品にはA~Dパーツ、コアパーツと正式な名前があるそうですが、本記事では、それなりの見た目で勝手に名前を付けて書いています。)
洗浄だけなら、眼鏡用の超音波洗浄機で洗う方法や最悪パーツクリーナーに浸しておくだけでも結構落とせますが、グリスの充填だけは ABC HOBBY ベアリングリフレッシュセット がないと、いちいちシールドを外して充填してからまたシールドをするという途方もなく繊細な作業をしないとグリス充填ができないと思います。

グリスとオイル

ボールベアリングを洗浄したら、ほとんどのベアリングは油脂をささない状態と比べものすごく回転が良くなっているはずです。だからといって無給油ではボールベアリングが痛みまます。

そこで、よく耳にするのはグリスを入れるかオイルを入れるか?です。
一般に工業製品ではベアリングにはグリスを充填するのが普通なのですが、手先の感覚や繊細なアタリを感じるリールには一概にグリスが向いているとはいいがたいと思います。

私の場合ですが、下表のように感じています。

油脂種類耐久性感覚
グリスとても良いしっとり,重い
オイル(高粘度)低い軽い
オイル(低粘度)とても低い抜けるような軽さ
場合によってはノイジーになる

リールの場所によって適材適所で使い分けるといいのですが、私の場合、リール内部のように、ギアなどにグリスが使われていて、なかなかアクセスが困難な場所は基本グリスを、また、個人の好みにもよるのですが、ハンドルノブは回転しすぎると慌てたときハンドルが回りすぎてつかみ損ねたりするので、グリスを使っています。

一方で簡単に分解清掃ができるうえ、比較的塩水を浴びやすいラインローラーのボールベアリングでは1,2釣行毎に分解清掃していますので、サラサラのオイルを使っています。
一度、リールのすべてのボールベアリングとギアに中粘度のオイルを使ったことがあるのですが、抜けるような軽さとは裏腹に、ギアのノイズや、ボールベアリングの個体差?とも思えるような機械的なというか、ノイジーさが出てしまいました。

このように、グリスはオイルと違いボールベアリングやギア自体が発するメカニカルな振動を消す効果も高いため適材適所に使っていくことが大事です。

ボールベアリングのメンテナンス方法

先述のABC HOBBY ベアリングリフレッシュセットを使って洗浄、グリス充填する方法はとても簡単です。
今回は、ダイワの19レガリスのラインローラーとハンドルノブのボールベアリングのメンテナンスをしようと思います。
この機種は2019年発売のダイワの機種なのですが、安価なモデルのため、通常ではラインローラーとハンドルノブにはボールベアリングは入っていません。
しかし、お小遣い制の筆者は、用途に合わせて高級リールを購入する予算がありませんので、この19レガリスのハンドルノブとラインローラーにベアリングを計3個入れています。

ボールベアリングの取り出し

今回はハンドルノブとラインローラーの分解をします。今回はベアリングメンテナンスについて書いていますので細かいことは割愛しますが、分解時には事前にリールメーカーのHPより展開図を用意しておく方が無難です。

とりはずした各パーツは、順番や裏表が分からなくならないように、トレイやキッチンペーパーの上に並べて、特に展開図に記載されていないシムが入っていた場合は入っていた位置が分からなくならないよう注意します。

特にオリジナルでパーツを入れているときは分解したとおりにパーツを並べておくこと

ボールベアリングの洗浄

ABC HOBBY ベアリングリフレッシュセットに写真のよう、ベアリングをセットします。

ベアリング台は裏表で各種の太さがに対応できます。

キャップみたいな部品をかぶせて

プリンカップのような容器に受けてから、パーツクリーナーの噴射キャップを外し、ノズルを直接中央の穴に差し込んでから、上からブシュ―っと吹き付けます。

これでボールベアリング洗浄は終了です。

案の定、ハンドルノブのベアリングを洗浄したら、黒い異物と金属カス見たいなものが出てきた!


パーツクリーナーを使うと揮発時にベアリングが冷えて結露しますので、水気が十分なくなるまで乾燥してください。パーツクリーナーは火気厳禁なので、ドライヤーを使う場合には別の部屋でしたり、また洗浄そのものを屋外で実施して火災にはくれぐれも注意してください。
乾燥が終わったら写真のようにベアリングをピンセットにはめて、軽快に、滑らかに、ゴリ感なくベアリングが回るか確認してください。

専用の工具もありますが、このサイズならピンセット代用で

乾燥していたようなベアリングではグリス成分が固着していることもありますので、容器にパーツクリーナーをとって、1時間くらい付けてから再度洗浄してみてください。
何度洗浄してもベアリングがスムーズに回らない場合は、ベアリングの寿命と思いますので交換が必要です。

グリスを充填

洗浄時と同じようにベアリングリフレッシュセットにベアリングをセットします。
グリス充填には写真のカップ状のパーツを取り付けてカップにグリスを入れてから付属のピストンでグリスを圧入します。

グリス圧入が終わったら、余分なグリスはウエスなどでふき取ります。

オイルをさす場合

スポイトなどで軽くちょんちょんと隙間にたらします。
スーッとベアリング内に入っていきます。

今回使ったスポイドはベアリングサイズに比べ大きすぎました、、、(;’∀’)

これも余分なオイルはウエスなどでふき取ります。

組み上げて完成

全てのボールベアリングのメンテナンスが終わったら、もとあったように組み上げます。特にベアリングシムの位置や部品の裏表がある場合には間違えないよう組付けて完成です。

最後に

繊細な釣りになるほど、リールのわずかなノイズやシャリ感が気になり釣りに集中できません。
集中できていないときは魚のあたりを逃したり、私の場合は集中できていないことが分かるので、途端に釣りが楽しくなくなってしまします。
ボールベアリングというちっちゃな部品なのですが、釣りの楽しさが全然変わってしまいます。
簡単なメンテナンスで効果絶大のボールベアリングメンテナンスはぜひともお勧めしたいメンテナンスです!

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